辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

「別個の事象を無理やり結びつける」維新宣伝のごまかし

大阪市廃止・特別区設置の是非を問う住民投票について、維新の側が以下のような趣旨の宣伝をおこなっている様子。

維新以降の10年間で住民サービスがよくなった。→もっとよくしていくためには「大阪都構想」(大阪市の廃止と特別区設置)。

例えばこれ。

しかしこれは、

「維新ができてから住民サービスがよくなった」というのは、前市政までで9割方形になっていた事業をそのまま引き継いだもの、もしくは維新が余計なことをして混乱させたもの。維新の成果ではない。
「よくなった」部分は、政令指定都市・大阪市の力に依拠するもの。4つの弱小自治体にバラバラにすることとは因果関係はない。

という重大なごまかしがある。

地下鉄トイレ・中学校給食は平松市政で具体化して予算を付けたもの。学校エアコンもそう。取りかかるタイミングで落選して市長が橋下に交代したことをいいことに、維新だけの実績・前市政や他党は何もしなかったとデマを流しているのである。

塾代助成は維新での事業だが、制度設計にアラがあり、必ずしも必要なところに届いていないのではないかという疑念もある。

天王寺公園は1980年代からずっと継続的に取り組んできたもの。あいりんだってそう。維新が現れるまでに方向性が付いていたもの。維新は歴史改ざんしている。

そしてこれらの事業は、政令指定都市・大阪市の持つ財源と権限を生かして進められてきたもの。

それを4つの特別区に分割して、大阪府に財源を召し上げ、各特別区間での分配も不透明、特別区で使える金がない――となると、どうやって事業を進めていくのか。

また別の角度から考えると、10年間の行政と今後の大阪市廃止構想という因果関係のないことを結びつけて「維新に無条件委任しろ」「維新への信任投票」といっているような形でもあり、その意味でも論理破綻。

大阪市廃止で住民サービス低下確実

(画像は「大阪どーなる」さん https://twitter.com/o_donaru/status/1314477641936769024 からお借りしました)