辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

カオスになっている東京都知事選挙

なんだか、カオスになっている。

七夕の日。

大阪では現在の枚方市・交野市付近に「天の川伝説」がある。枚方市と交野市を流れる河川・天野川を七夕伝説の「天の川」に比定しているとか。

そして東京では、2024年7月7日投開票の東京都知事選挙。

都知事選の構図

現職の小池百合子知事の都政に対して、対抗を鮮明にする蓮舫候補(前立憲民主党参議院議員)ほか有力候補数名が都政の改革を訴えて挑む構図になっている。

都政については、大阪の人間にも漏れ伝わってくるのは、「小池さん(緑)の個別の政策はどうなのか」ということばかり。ネタになるような迷言は多数残したが、個別の話については、どうも支持できない、都政をよりよい方向に変えてほしい、という印象を受ける。

満員電車ゼロ・2階建て電車やスギ花粉ゼロなどの前回知事選での公約は、ネタにはなったが、具体性が見えてこないし道筋も立たない。動物殺処分ゼロについては、ゴールを都合よく変えているのではないかという指摘も。

コロナ対策でも、「東京アラート」「密です」などがネタになったが、一体どうなっているんだろうというもの。都立病院の独立行政法人化などが聞こえてくる。

学校教育でも、中学生英語スピーキングテスト(ESAT-J)の話とか、そのあたりのことでも、よくない話が聞こえてくる。

全体的にみれば蓮舫さんのほうがいいようにも感じる。

選挙戦への不安感

蓮舫さんご本人の主張はともかく、取り巻きの支援者・応援団と称するのが、票を引き剥がす効果をもたらすのではないかという気がして、不安になる。

対立陣営への不適切な揶揄

蓮舫陣営の候補者選考委員会に入っていたある元文部科学省官僚の人は、小池さんが八丈島で街頭演説をしたことを揶揄すると受け取れる内容を、Twitter(現・X)に書き込んだ。

これに対しては、さすがに同じ陣営に近いと思われる人からも、「離島蔑視ではないか」という批判を浴びる羽目になり、炎上した。

またフリージャーナリストと称する人たちが、「小池さんは八丈島や奥多摩に逃げた」かのように煽るような主張をおこない、取材と称して不適切とも思われるような声かけをおこなっていることで、「つばさの党の方ですか」とあしらう口実にされているという話も伝わってくる。

下品な替え歌

ネット上の応援でも変なのが。

「東京音頭」の替え歌で「END百合子音頭」なるものを発表したのがいて、批判を浴びている。

東京音頭といえば、神宮球場を本拠地とするプロ野球チーム・東京ヤクルトスワローズの応援歌としても使われている。

しかしそれを「くたばれ××」と別の某チームを名指しした替え歌にするのがあり、スワローズ球団や応援団はそういうのは自粛するように求めている。名指しされたチームだけではなく、他チームやそのファンにとっても不快で下品なものに映り、2024年4月には阪神タイガースの公式ツイッターで「こういう応援はやめましょう」と訴える動画がアップされた。

その某チームは権力者として振る舞うように受け取れるような組織運営もあリ、他チームのファンは自身のひいきチームへの応援を「反権力」と重ねる場合もあった。しかし、だからといって、個々の選手のプレーやスポーツ応援とは別の次元の話である。組織運営のあり方についてはともかく、選手を個人攻撃して傷つけるようなのは、人道に反する。

今回の「END百合子音頭」は、「くたばれ××」と同類の問題があると感じてならない。

掲示板ジャックの弊害

そしてほかにも。

公営掲示板がカオス状態になっていると聞く。

掲示板乗っ取り

某政治団体代表「T」が、1人しか当選しない知事選挙なのに、当選度外視で自陣営と関連団体から20数人立てている。しかも掲示板ジャックで、希望者には有償で掲示板の掲示権を販売するとしている。

そして、掲示板がとんでもないことになっている。

その陣営関係の候補者ポスターがすべて同じデザインになり、風俗店の広告、QRコードでの出会い系サイトへの誘導、詐欺サイトへの誘導、立候補していないTの顔写真、犬の写真、動物のイラスト、Tと対立した政治活動家への中傷など、選挙での候補者の紹介や主張とは何の関係もない、恐るべきものが貼られているという。

別の某候補者のポスター

また別の候補者の「J」は、全裸に近い女性モデルを登用したポスターを掲示して「表現の自由」と主張した。有権者からの苦情を受けて警察が、東京都のわいせつ物の条例(公選法ではない)が適用できる可能性があるとして警告を出すことになると、すぐに撤去した。

これでは、「表現の自由を掲げるのはエロで女性蔑視だ」と矮小化する妄想を元に、気に入らない表現にあたり構わず難癖を付けて「当たり屋」的に表現規制を正当化する、「フェミニスト」を偽装した「家父長的なパターナリズムとミサンドリズムを都合よくつまみ取りしている、保守反動封建的な人たち」、俗に言う「ツイフェミ」「ラディカルフェミニスト」の思惑通りに動いていることになる。また公権力による表現規制を呼び込むことにもつながりかねない。

当該候補者も、立候補にあたって、有権者に訴えたい主張や信念などがあってそういう行為をあえておこなったわけではなく、ただのお遊びの場としてやっているのではないかと疑わざるをえない。

こんなのに「表現の自由」を剽窃させるのも具合が悪い。

表現の自由

TにしてもJにしても、単に自分の遊び場を作るだけで制度をハックしただけで、表現の自由を守るとか高尚な話ではないようにも感じる。

中身も下品だが、中身に踏み込む以前のもっと単純な話として、「選挙で遊ぶな」「選挙とは関係ないポスターを貼るな」ということである。

現行法の公選法では直接取り締まれない。だからといって、このような底抜けのアレなのが出るとも想定外ではある。下手な規制をかける手法に進むと、別の意味で問題が生じることにもなってしまう。

なんだか、どっと疲れる。