ツイッター、現在はXと呼ぶようであるが、そのツイッターで2024年5月、学校での集団検診をめぐって、何やら騒ぎが起きている様子。
きっかけは、ある人の投稿。
要旨としては、
子どもの通っている小学校で、検診の際に上半身裸になるように指示され、子どものクラスの女子児童が抗議した。
そういった内容。
それに対して、質の低い似非「フェミニスト」が噴き上がり、また医師・医療関係者からの反論も起きている。
質の低い似非「フェミニスト」は論外
こういった問題については、「女子児童だから羞恥心がある」「男性医師が女子児童・生徒を診ることは、下心や悪意があるのではないか」とばかりに矮小化する、質の低い似非「フェミニスト」の主張は問題外である。
こういうのは、男子児童・生徒ならどんな低い扱いをしても構わないだとか、医師を完全に男女別にしろ・男性医師は男性というだけで排除するだとか、男性というだけで性犯罪の加害者で女性というだけで被害者だなど、おかしな方向性に進みかねない。それこそ、ジェンダーに対するバックラッシュである。
子どもの人権と医療行為
羞恥心の問題については、確かに、子どもの人権という視点から考えると、男子児童・生徒も含めて、子どもの心情に沿った必要な措置や、医療上必要な場合を想定してのていねいな説明や措置なども求められていることは、事実ではある。
これは、「フェミニスト」を自称・偽装する質の低い人たちが悪用して煽っている現状とは、全く異なる観点からのものである。
文部科学省は、上衣着用での検診については、医療上どうしても避けられない場合を除いては容認するという見解を出した。
その一方で、医療行為としては、以下のような問題が指摘されているという。
- 脊椎側湾症や、虐待などのアザなど、見落とすことにもつながりかねない。
- 聴診器の扱いなどは、着衣の場合、医師の姿勢・体勢に無理が生じる。数十人単位を一度にまとめて集団検診するとなると、肉体的・体力的な負担が大きい。
- そもそも医療行為であり、男性医師だからというだけで、下心があるかのように決め付けられて攻撃されるのは心外。
確かに医師側の主張も、道理があるものではある。
実際、2019年には、小中学校と高等専門学校に通っていた女性が、「いずれの学校でも脊椎側湾症の『異常なし』の所見を学校検診でもらったが、自身で異変に気付いて病院にかかると『脊椎側湾症。以前から症状があった』と診断された。学校が脊椎側湾症を見落とした」と訴え、出身の小中学校のある自治体と、高専を運営する独立行政法人を相手取り民事訴訟を起こした事例が報告されている。
www.asahi.comこの訴訟については報道ベースの話でもあり、またその後の経過についてどうなったのかの続報までは把握し切れていない。この訴訟での検診の具体的な状況についてもわからない。
しかし少なくとも、着衣検診によって、こういう事例が増えるおそれがあるという不安は、わからなくもないことではある。
子どもの人権に配慮するというのは、実際に検診を受ける児童・生徒の心情に配慮すると同時に、なぜそういう行為をおこなうのかということをていねいに説明して理解を得ていくということも重要なのではないのだろうか。