辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

維新から大阪を取り戻し、みんなの新しい大阪を前に

2019年大阪府知事選挙と大阪市長選挙の大阪W選挙。橋下徹がツイッターで「10年前の大阪に戻るのか、新しい大阪を前に進めるのか」と過去の自分の演説をほじくり返すツイートをして、維新の議員・運動員や信者も呼応している様子。

しかし2008年2月の橋下徹大阪府知事就任から2010年の維新結成・2011年の大阪W選挙を経ての維新政治は「失われた10年」。新しい大阪を前に進めるためには、維新政治の10年の弊害から決別して立て直す必要がある。

維新による「失われた10年」

「都構想」議論によって疲弊させられ、無駄な経費もかけられてきた。そもそも「都構想」自体、政令指定都市として独自の権限と財源をもつ大阪市を解体することで住民自治を破壊し、財政も取り上げられて事業の財政的な裏付けもなくなるものである。

例えば児童相談所一つとっても、政令指定都市では設置義務があるが、特別区では任意。設置希望を出した上で、児童相談所設置市として国から政令で指定される必要がある。特別区に分けたから自動的に4つの児童相談所ができるなどということはないし、そもそも財源も府に一度吸い上げられる以上財源の保障もない。

維新の暴力的な手法によって、住民に分断も持ち込まれた。

公共の観点を軽視した安易な民営化と一面的な利益追求によって、市民・府民の財産が破壊されてきた。大阪城公園などは企業利益の草刈場となっている。大阪府の三セクだった泉北高速鉄道も、維新のせいで危うくハゲタカファンドに売り飛ばされそうになったところを、住民の共同で食い止めた。

学校では「チャレンジテスト導入」「大阪市では全国学力テストの学校別成績公表」「高校入試の激化・過酷化」「教職員締め付け強化などの影響で教員不足」「大阪市の塾代助成は学力向上効果が疑わしい上、公教育予算削減とセット」「私学無償化は公立高校統廃合とセット」など、学校現場への混乱と困難が持ち込まれている。

教育予算は、大阪市では微増、大阪府では減少。しかし維新は「大阪市で8倍にした」とデマグラフを使って宣伝。政策的予算、すなわち維新の肝いり事業だけを恣意的に抜き出して集計した上、伸び率のグラフも「パーミル」で目盛りをごまかして右肩上がりと誤認させる悪質なもの。

子どもの医療では、大阪市では住吉市民病院が廃止され、「地域の子どもが体調を崩して入院経過観察が必要と診断された際に、統合先は満床で受け入れられなかった」など地域医療に弊害が出て、また住吉市民病院が独自におこなっていた福祉的医療も受け継がれず。また府立病院では、重篤な症状の新生児を救急搬送する保育器が老朽化して機器更新の必要に迫られたが、購入費用がなくて「クラウドファンディング」で経費を募る衝撃的な事件も。

公共交通も、市バス路線の乱暴な再編で交通不便地域を生じさせるなどの問題も発生した。

維新政治の「呪い」を乗り越えて新しい大阪に

「一部の者が権力者気取りで上から一方的に押しつけて、従わない人間を敵認定して口汚く攻撃する。言ったもの勝ちとばかりにデマを振りまく」「民間でできることは民間で名目で、住民の財産を私物化して一部の利権の温床とし、公的な住民サービスの軽視」「反知性主義、文化軽視」など、維新の持ち込んだ《対立と分断の大阪》はもううんざり。

「市民・府民の有形無形の財産を大切にする」「異なる意見を持つ人どうしでも率直な意見交換をおこなって知恵を出し合いながら、互いを尊重しながら住民主体で生活を前に進める」「デマやごまかしなどではなく、住民生活に関する事実や実態分析には誠実であること」、そんな大阪でありたい。

「都構想」に振り分けられる予算を子どもと教育・市民生活に振り直すことを主張している、大阪府知事選挙では小西ただかずさん、大阪市長選挙では柳本あきらさんに期待します。