辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

偽装「フェミニスト」のデマ攻撃、内容は事実なのか?

偽装「フェミニスト」がツイッターで共産党攻撃を繰り返している。

2022年10月24日、有名な偽装「フェミニスト」の代表格の一人とみなされている人物は、2021年の総選挙後から繰り返し流している「2021年の総選挙で、共産党が比例代表名簿の順位を男性優先にした」かのようなデマを蒸し返した。

小池晃・共産党書記局長の対談動画で、この人物の主張について質問を振られた小池さんの回答に噛みついている。

そしてその後も、この人物は連続ツイートで、共産党が女性を軽視しているなどと非難し、共産党を思い通りに動かしたいとばかりの圧力をかけるかのような罵倒を繰り返している。

もっとも動画を見ると明白だが、小池さんの回答は、この人物のおかしな言いがかりを否定していない、むしろ荒唐無稽な言いがかりに同調・迎合していると受け取られかねない。

この人物が言うのとは正反対の意味で、「小池さんは、あるいは共産党として、この人物がおこなってきた変な言いがかりには、事実無根だとしてもっとビシッと反論した方がよいのでは」という不満や批判を感じる。

小池さんのその場での発言については、「この人物の共産党攻撃内容を小池さんが認識しておらず、一般論としての回答になった」「荒唐無稽すぎて適当に流した」などとも受け取れる余地があるので、それ以上コメントしにくいところがある。とはいえども、共産党としても一定の反論をしてほしいと願う。

しかもこの人物は、共産党の複数の地方議員や議員候補予定者など共産党関係者がツイッターで事実を示すと、自分の間違った認識を改めることなく、指摘した共産党関係者を感情的に罵倒しまくる始末。こんな理不尽な攻撃を、共産党として放置していいのか。

この手の「フェミニスト」とは

本題に入る前にまず、以下の立場を鮮明にしておく。

この人物とその取り巻き、それに近い人物などは、「フェミニスト」を自称している。

しかしこんなものは、本来の意味でのフェミニストではないと、当方では認識している。むしろ「家父長制パターナリズム」「マッチョイズム」「ミサンドリー」を都合よく混ぜ合わせて煮詰めた物で、フェミニズムのみならず人権全般に敵対する役割を果たしているとみなしている。「反差別のふりをした差別主義者」というべきものであり、ジェンダー平等に敵対するカルト的な思考・チンピラ的な言動だと扱っている。

あの界隈、俗に「ツイフェミ」「ラディカルフェミニズム」といわれるもの、「家父長制ミサンドリー」とでもいうべき内容の主張は、ジェンダーロールの固定化や押しつけに人一倍こだわっているという認識。

あの界隈の主張を総合すれば、以下のような態度だと受け取っている。

  • 「女性というだけで無条件に弱者扱いでちやほやしろ。守られて当然」という家父長制パターナリズムとマッチョイズムの傘に守られたい欲望をこじらせすぎている。統一協会や日本会議とも大差なく、保守的で宗教右翼的なジェンダー観。
  • 「気に入らない相手を力でねじ伏せさせる」「都合が悪いこと・面倒なこと・肉体的あるいは精神的な負荷の高いこと・責任を取らせることなどは、男性に押しつけて当然視する、身代わりを押しつける・尻拭いさせる」「何をされても我慢しろ。特に女性から何をされても反撃するな」など、自分にとって都合のいいときだけ、男性に旧来的な「男性らしさ」やそれに基づく一方的なジェンダーロール(「慈悲的性差別主義」といわれるようなもの)を押しつける。
  • ただの宗教右翼ならわかりやすいが、より一層こじらせた形で、自分たちの行為を表向き「リベラル」だと偽装する。
  • それを周囲に押しつけ、「女性だから常に被害者・弱者である」「男性は男性というだけで加害性の原罪がある」とばかりに、女性の性別を特権扱いする。
  • 「女性」と主語を広くしているが、実際はその主語は「自分自身と、自分を無条件に持ち上げる子分・手下」という狭い範囲で、女性でも自分の意に沿わないものには冷酷。「女性の権利向上」ではなく、実際は女性の権利向上を妨害し、自分をちやほやしろと迫っているだけ。
  • それらのことで、自分の意に沿わないものにはどんな横暴をしてもいいとばかりに振る舞う。「男性、特に弱い立場の男性には対して何をしてもいい。反撃されない」とばかりになめてかかって、威圧的・支配的な態度を繰り返す。また「自分の子分・手下ではない」女性に対しても、威圧的・支配的な態度を取る。優生思想にも通じる発想となっている。
  • とりわけ、男性が女性に対してものを言うこと自体を目の敵にして、男性が発言すると被害者面しながら相手を攻撃する。たとえ発言の内容が「横暴な行為をしたものに対して、被害者や見かねた周囲が苦情・批判を出した経過で、性別の要素は無関係」でも、自分にとって気に入らない指摘はすべて「女性差別・マンスプレイニング・トーンポリシング」の被害者だと一面的にすり替えて振る舞う。その手口で、相手がおかしな言いがかりを付けてきたかのように嘘を描いて、相手の苦情をシャットアウトしながら、感情的に逆ギレ罵倒する。またそのように被害者面すれば周囲が加勢して代わりに標的を殴ってくれるからお前ら黙れとばかりに振る舞い、恫喝して黙らせようと図る。そのような「男性へのジェンダー暴力、モラハラ」を平気でおこなう。
  • 男性に対して、また女性でも自分たちのいいなりにならない人間に対しては、それらの人間が困難や被害を訴えること自体に敵意を向け、冷笑し、冷酷な態度を平気で取る。
  • 「性的」と見なしたものには徹底的に抹殺しようと図る、宗教右翼的な価値観。
  • 「オタク」敵視。

こんなもの、「フェミニズム」の概念とは正反対。この手の偽装「フェミニスト」は、男性、特にジェンダー平等志向をもつ男性に牙を向けてあたり構わず攻撃している状態になっている。また女性でも、言いなりにならない人への攻撃の矛先を向けている。

こんなの、ジェンダーの話以前に、いじめっ子気質――いじめっ子が、いじめがばれると、逆に「相手から一方的にいじめられた」と被害者面して騒ぐことで、周囲を焚きつける。そして周囲に、被害者をよってたかって攻撃させることで、被害者に二次被害を与えて有利にしようとするという、典型的ないじめの手口。――だとしか思えない。

この人物の行為は結局、このような批判を受けてしかるべき存在となっている。

ファクトチェック

この人物が2021年以降、繰り返し蒸し返している共産党への言いがかり、あるいは軍師気取りで共産党を自分の思い通りに動かしたいとばかりの圧力。「共産党は選挙の際、女性を軽視している。比例順位でも女を養分にしておっさんを当選させている」などの趣旨のもの。

しかしこんなものは事実無根もいいところ。

このようなことになった事情は、以下のような経過。

共産党は2021年、「ジェンダー平等」の方針を前面に打ち出して総選挙に臨んだ。しかし共産党の公式方針での「ジェンダー平等」とは相容れないような、また世間一般での人権感覚ともずれているような、偽装「フェミニスト」に取り憑かれるような形となり、共産党の訴え自体もこの手の偽装「フェミニスト」に迎合するように見える形になった。

そして、共産党自身の文化政策とも齟齬をきたすような形で、「女性・ジェンダー」分野では偽装「フェミニスト」の「オタク敵視」「統一協会や日本会議と大差ないような、性的と一方的に認定したものへの異常な攻撃・ジェノサイド」を持ち込まれる形で、「表現規制」と受け取れるような文面を出してしまい、強い失望感が広がった。


誤解を招きかねない内容については修正・補足説明がされたものの、一度失った信頼をすぐに回復するには至らなかった。

そして選挙本番では、有名な「ツイフェミ」などが共産党の応援演説に立ったり、web上での応援動画を流すなどした。

しかし選挙本番中でもこの人物は「応援のビラまき」に参加したと称して、通行人や池内陣営の男性支持者を「キモいおじさん」とヘイトし、ツイッターで公然と中傷した。またこの人物は、選挙宣伝ビラを受け取っていた通行人やビラまきの支援者を小馬鹿にするものも含めて、ほかの標的に対する内容も含め、自分たちが遭遇した「自分たちにとって気に入らない男性」を「キモいおじさん」呼ばわりしてこき下ろし中傷する内容のインターネット配信動画を公開した。

そして池内氏の票は小選挙区で伸びずに落選し、また共産党の比例票も伸びずに比例東京ブロックの当選者は2にとどまり、比例でも届かなかった。その結果を見たこの人物は、「池内さんが比例順位3位で、2人の『おっさん』(笠井亮・宮本徹の両議員)が当選したのは、女をおっさんの踏み台にした女性差別だ」という根拠のない妄想で共産党に中傷を加え、1年以上も繰り返している。

この人物が、「共産党が男女不平等」「女をおっさんの踏み台にした」などという中傷を執拗に繰り返しているのは、ありえない。

池内さおり元衆議院議員は比例東京ブロックの比例名簿登載順位3位で、共産党としては目標議席3議席として、必勝を期す圏内に入っていたし、1位~3位までの3人をまとめて押し上げる作戦だった。1位・2位の候補者(笠井亮・宮本徹の両議員)は議員団の構成上の関係でたまたま上位に入っていたというだけで、共産党として池内さんを軽視していたとも思えない。この人物の言動は、笠井亮さん・宮本徹さん、および東京や全国の共産党支持者への侮辱だとしか思えない。

また共産党は東北ブロック、東海ブロック、四国ブロックの3ブロックで、女性候補を比例1位にしていた。とりわけ東北ブロックでは、比例名簿1位に搭載された高橋千鶴子議員をはじめ、比例候補全員が女性だった。国政政党の中では歴史的にも女性候補者の比率が高く、2021年総選挙では立憲民主党と並んで女性候補者の比率が高かった政党でもある。となると、この人物は女性も攻撃しているということになる。

東京ブロックでは残念ながら、3議席分の得票に届かなかったので、池内さんを落選させてしまった。それは共産党全体の票数が伸びなかったことによるもので、ジェンダーや女性への不当な扱いではない。

票数が伸びなかった・池内さんを落選させたのは、人権侵害的で異様な偽装「フェミニズム」によって、共産党の政策訴えが迷走したように見えて、有権者の思いから乖離したことも一因。はっきり言って、この人物界隈のせいで票が減らされたようなもの。

そもそもの話として、池内さんの応援と見せかけて、池内陣営の男性運動員や、宣伝の場に通りかかった男性通行人を、たまたまそこにいただけで「キモいおじさん」呼ばわりなどしたこの人物の行為など、それだけで悪質極まりない。こんなもの、応援ではなく、妨害行為ではないか。

筆者ですら、2021年総選挙では、この界隈の言動で投票行動に悪影響が出たし、一度は投票を見送るべきかと本気で悩んだ。元々は、全体的にみれば共産党の政策が一番自分の考えに近くてしっくりくるとして、迷いなく共産党を応援し投票するつもりだった。しかし、共産党がこの人物界隈に取り憑かれてジェンダー分野で迷走しているように見えたことが苦痛に感じた。共産党を応援しているからこそ、こいつらは許せない、この界隈の言動は共産党自身の本来のジェンダー政策とも反するはず、この選挙限定で共産党にお灸を据える意味で投票を見送ろうかとも頭をよぎった。

ほかにも、2021年総選挙でこの人物界隈の言動とそれに呼応した迷走をみて、「共産党支持をやめた」とか、「以前は、特に支持者というほどではないが、共産党の政策などには一定の好意を感じていた。しかし偽装『フェミニスト』のせいで、今はどちらかというと否定的な状態になった」という事例も、ツイッターなどでは多数報告されている。

そもそも、選挙で問われるべき課題は、この人物界隈の偽装「フェミニスト」がいうような一方的な意味での「ジェンダー」「フェミニズム」だけではない。経済問題、景気回復、消費税、コロナ対策、医療、教育、保育など、差し迫った問題は多数ある。そういうことを差し置いてジェンダー一辺倒、しかも「自分好みにゆがめた『ジェンダー』(実態は家父長制パターナリズムとマッチョイズムの押しつけと、それに従わない人物への攻撃)以外の訴えはどうでもいいかのような扱いで、軽視・敵視する」では、訴えが上滑りするだけでなく「引かれる」だけで、住民の支持は得られない。その意味でも、あの界隈の行動は許せなかった。

この人物の行為については、むしろ、味方のふりをして持ち上げるふりをして取り憑くことで、結局はトロイの木馬のような役割を果たし、広範な市民との共同を阻害し、内部分裂・内部撹乱を誘い出そうとするものでしかない。池内さんを持ち上げるふりをしながら、実際はほかの議員や支持者・および組織としての共産党を平気で攻撃しまくっている。

一部では、この手の偽装「フェミニスト」の背景には、宗教右翼的な者がいると指摘されている。「キリスト教矯風会の思想的影響」だの「日本財団からの資金援助」だのと、具体的な名前も挙がっている。

共産党に限らず、立憲民主党など他の政党や、市民団体、一般市民などに対しても、偽装「フェミニスト」がその手口で攻撃し、運動方針を自分たち好みに支配して変質させようと狙い、関係者を萎縮させようとしてきた。

立憲民主党では2021年、この人物とは別の偽装「フェミニスト」が主導したとされる「本多平直議員排除問題」などもあった。また2021年総選挙で野党共闘無所属で当選し(のち立憲民主党に入党)、ジェンダーの訴え方については有権者に伝わる工夫が必要だという見解を示した米山隆一議員に対して、この人物が「買春パパ活オヤジ」と罵倒するなどし、その流れで、この人物は米山氏の妻でもある作家・室井佑月氏にも「夫の性欲処理機」などと罵倒する攻撃の矛先を向けたことで、室井氏が反撃する流れも起きている。

2022年夏の参議院選挙では、「AV新法」をめぐって、「出演者をはじめとした関係者の人権保護。意に反する形での出演強要など人権侵害行為はあってはならないからそれを防ぐ仕組みを作る」という広く一致できる概念から出発したはずの法案の目的をはき違えて、自身の宗教右翼的な価値観から「AVそのものの敵視・撲滅」が主目的かのように扱う立場から、法案そのものを全否定して敵視する形で反対したこの手の偽装「フェミニスト」と、法案は十分ではないが出演者の人権保護の仕組みを作ることは必要とする野党との間に一定の距離が出た。しかし、偽装「フェミニスト」に取り憑かれた野党が、一般市民からの失望感を払拭するには至っていない。

この人物やその周辺の主張の中身自体は、本来ならバカバカしすぎて、無視したい案件ではある。しかしこの人物とその取り巻きの発言の影響力が強く、よってたかって世間に悪影響を与えている状態で、無視したくてもそのまま無視できない状態になっている。共産党関係者の一部や、共産党に限らず広くリベラル勢力にもこの人物界隈の主張が浸透して、政党や市民団体の方針をこの人物界隈の主張で支配しようとして悪影響を与えているように見える。これらのことは、極めてまずいことになっている。しかるべき反論、および偽装「フェミニスト」の影響を断ち切ることなどが必要になる。