辺境の雑記帳2nd

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大阪市長選挙に「予備選挙」?

維新が2023年4月実施の次期大阪市長選挙に際して、維新で複数の候補者候補を選出した上で、世論調査による「予備選挙」をおこなって候補者を決定する意向だと、2021年12月30日に報じられた。

読売新聞(ウェブ版)2021年12月30日配信『【独自】維新、大阪市長選は電話世論調査で候補選出へ』によると、以下の手順が想定されている様子。

 予備選では、維新が掲げる「身を切る改革」や「大阪の副首都化」などの基本政策への賛同を条件に公募。党外の立候補希望者は党が一定の審査を行うという。

 予備選の期間中、候補者は街頭演説会やSNSで各自の政策を競い合い、最終的に民間の調査会社に依頼して、市民を対象に電話世論調査を実施する。党員投票は行わない方向で、松井氏は「党内の人間関係が影響する。民意をより重視したい」との意向を示しているという。

こんなもの、維新の候補者選定の内部プロセス・政党内部の手続きと一般の選挙を故意に混同させ、実質的には維新候補の選挙活動のみを長くして、「維新以外の候補者」には不利になってしまうのではないか。

維新が候補者を内定することは、しかるべき意思決定機関での決定なり、党員投票なりでも、内部で勝手にやっていればいい。しかしその手順として、維新の党員・関係者以外の一般の人を巻き込む「予備選」などというのは、異様としかいいようがない。

どう考えても維新の候補者の枠にとどまり、違いがあるとしても維新としての枠の中でせいぜい「維新の掲げる主張のうち、どの分野に特に重点的・優先的に取り組みたいか」という程度の話にしかならない。

内部で党員の投票などは勝手にやっていればいいが、一般市民の世論調査で決めるというのもおかしい。別に維新なんか支持していないし。

またそれ以前に、世論調査で人気投票するというレベルになると、維新の首長がマスコミ等を通じて垂れ流される機会が大きく増える危険性が出るということにもなる。その中で、「維新以外の陣営」の主張が伝えられる機会も少なくなり、本番の選挙にも大きく影響を与えかねないということにもなってしまう。

一見「民主的」と装いながら実質的には民主主義手続きを破壊する、極めて悪質な行為である。