『週刊女性』web版2024年4月16日配信『なんで男女差16倍? 慶應大がワタミと組んだ『学生の食事支援』が差別と炎上、ワタミ広報が答えた“意図”』に目がとまった。
慶應義塾大学が「ワタミ」と協力し、学生向けに「ワタミの宅食」を届けるなどの食事支援を打ち出すことを発表した。
しかしその内容が「男性差別・男子学生差別」だと批判を呼んでいるというもの。
一般的にいえば、学生への支援なら喜ばれるはずが、なぜこんな批判が生まれているのか。
支援対象者はまず、「女子学生」に限定したうえで、その後に男女問わず「生活困窮学生」への支援もおこなうともしている。後者の生活困窮学生への支援が、女子学生への支援と比較して対象人数も食事配布回数も著しく少なくなっている。
このことで炎上している。支援対象の設定方法や、これでは男性差別になってしまうという疑問など、批判が出ている。
さて、食事や経済的困窮については、女性特有の問題ではなく、男女共通に降りかかるものである。生理用品への支援などとは性格が異なる。
しかしながら、女子学生のみを対象にし、男子学生は一応「生活困窮者」として対象になっているものの、後回しにされ、かなりの数が排除されている。これでは男性差別・ジェンダー差別ということになってしまう。
同雑誌では、「ワタミ」と慶應義塾大学に取材を試みている。「ワタミ」の回答については、あまりにもどうかと思うものだった。また慶應義塾大学に至っては、回答がなかったとしている。
「ジェンダー平等」のはき違え
ジェンダー平等というのは、性別にかかわらず自分らしく生きられること、また性別によって不利益を受けないようにしていくことというのが、前提であろう。
しかし一部の「フェミニスト」を自称する「頭の古いおばはん」たちや、その背景にいる「頭の古いおっさん」など、保守的・反動的・封建的な人たちは、ジェンダー概念を封建的にすり替えている様子である。
- 女性を絶対的弱者扱いで守れ。女性ちやほやしろ、下駄を履かせられて当然。
- 男性はいついかなるときも加害属性の原罪を持つ。男性にはどんな不利益を与えても当然。
- 特権性など持っていない男性が被害を受けたときに、苦言や抗議を出すのは、それ自体が女性差別だ。
そのような行為を「フェミニズム」だとすり替えたうえで、暴言や恫喝で周囲に押しつけている。これは、「慈悲的フェミニズム」とも呼ばれるような、家父長制パターナリズムの押しつけである。これでは本来のジェンダー平等の概念を真っ向から否定する、家父長制パターナリズムをさらにこじらせた代物を「フェミニズム」だと偽装しての焼き直し、保守的封建的な概念を押しつけるバックラッシュになってしまう。
そのようなおかしな方向に進んでいるような風潮も、一部に見受けられる。
しかも「フェミニスト」を自称する人の一部が「権力者」に転化し、従来的な権力を持つ一部階層に取り込んで結託して、そういう間違ったことを当然視しておこなっているようにも見える。
こういう自称「フェミニスト」が暴れまくる風潮が強まり、市民団体や政党の意思決定を乗っ取るなどもして、おかしなことになっている。
そして大多数の男性や女性が不利益を受けるとばかりの、新たな階層差別にもなっている。