辺境の雑記帳2nd

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尼崎「ロープウェイ」という維新候補:市長選ミーティングで

2022年11月13日告示、11月20日投開票の尼崎市長選挙。

現職市長が今期限りの退任を表明し、後継の新人へのバトンタッチを目指している。そこに維新が、神崎川・猪名川を越えて勢力を拡大しようと新人を擁立する構図。

尼崎市・および同市を含む阪神間では「非維新」市長の動きがガッツリと進んでいる。兵庫県の県政は維新に取られてしまったものの、大阪府内でめちゃくちゃしてきたような維新に市政を渡すかどうか、大阪の悪政を府県境を越えて持ち込ませないということも問われることになる。

2022年10月、市長選挙に立候補を予定している2人(維新・保育所などの社会福祉法人経営・大原隼人氏、無所属・現職後継・元尼崎市教育長・松本真氏)が、尼崎市立尼崎高校の生徒代表からの質問に答える形で、「高校生ミーティング」を開催した。

その様子が神戸新聞で報じられ、また動画もアップされている。

候補者は、生徒からの質問に回答する形で、以下のような見解を述べた。


 「治安が悪いイメージがなくならない。どうやって対処しますか」

(中略)

 大原氏は、新たなシンボルをつくってイメージを良くするとして、「大阪万博の会場と尼崎をロープウエーで結びたい」と提案。松本氏は、市内の刑法犯認知件数が減った実態を挙げ、「ひったくりや落書きなどから始め、犯罪を起こしにくい街にする」と話した。


維新予定候補者の「ロープウェイ」。これはネット上での反応でも失笑されている。一方で現職後継の予定候補者は地に足を付けた施策を訴えているとみえる。

また教育問題についても質問があった。市立尼崎高校やほかの尼崎市立の高校ではここ2年ほどで、被害生徒が不登校・転校に追い込まれたほどのいじめ事件と、運動部などでの教師からの指導中の暴力・体罰事件が、それぞれ複数件報道されてきた。いじめや体罰への質問もあった。

生徒の質問に、予定候補者がどう回答したか。

 当時、教育長を務めていた松本氏は「ご迷惑をかけた」と陳謝し、「いじめを相談できる環境や誰でも声を上げられる文化をつくりたい」と強調。大原氏は、高校時代に同級生が教師にたたかれた体験を挙げ、「愛なのか暴力なのか考えて。答えは一つじゃない」と投げかけた。

維新の予定候補者は、体罰行為は場合によっては許されるとも解釈できる主張をおこなっている。維新の教祖も体罰容認の立場だったのでこれ自体は驚かないが、市政に携わろうとする人物という意味でも、また本業が保育所の経営者ということも考慮しても、極めてまずい主張ではないのか。

一方で、松本氏は、神戸新聞での記事では触れられていないが、質疑応答では「体罰は許されない」とも言及した上で、いじめについても上記報道のような言及をおこなっている。

各予定候補者の主張を比較すると興味深い。

尼崎市でも維新市長は阻止してほしいと願っている。