辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

「大阪府知事選・大阪市長選に候補者浮上」への雑感

2023年4月9日投開票の大阪府知事選・大阪市長選。

知事選では維新現職と、たつみコータロー元参議院議員が出馬意向を表明している。また市長選では維新が新人候補者を立てる意向を示し、いわゆる「非維新」はいずれの陣営も調整中となっている。

2023年2月に入り、新たな動きが浮上した。

報道によると、「非維新・非共産」系が主導する形で、法学者の谷口真由美氏を大阪府知事選擁立に向けて打診し、また大阪市長選には北野妙子大阪市議を擁立することを打診したという。

両氏とも正式な表明はまだだというが、前向きに検討するとも伝えられている。

大阪W選挙について

カジノ・IR問題、医療問題での大失態、府立高校統廃合・市立の高校の府移管・小中学校をめぐる問題などの教育改悪、いわゆる「都構想」やそれに類するものなどもあり、大阪府政・市政とも首長を早急に換えることで生活を守ることが緊急課題になっている。

一般的にいえば、「非維新」各陣営がまとまって維新府政・市政を倒すことが好ましいとは思える。

しかし大阪の状況では、「非維新」各陣営には温度差があり、まとまれば必ずしもいいものにはならない、むしろ無理やりまとめることで各陣営間での「相打ち」になってしまいかねないという状況も生まれてしまっている。

維新が「自民共産の野合」だとか適当なことを抜かすことに動揺する一部陣営の態度、各党あるいはその政党の支持基盤の団体間の歴史的な経過による不仲(労働組合における連合系と非連合系、同和問題における解同とそれへの反発)など、複雑な要素が絡んでいる。

報道によると、共産は「自分のところではいつでも出せるように予定候補者を打診している」としながらも、ほかの陣営の動きも見極めて総合的に判断するとしていた。そして「時間切れ」と判断したのか、2023年1月初頭に、共産党や市民団体などで構成する「明るい会」からコータロー元議員が無所属で出馬すると発表した。一方で市長選挙については、まだ他陣営の様子をうかがうとしているのか、現時点では特に発表などはない。

自民党系などは水面下で候補者擁立を探っていたが難航していたとも報じられている。

そして、非維新系の財界人などが政治団体「アップデートおおさか」を結成し、同会の主導で2023年2月になり、具体的な名前が挙がっての、出馬要請した・本人は出馬に前向きな報道が出たという経過。

そして具体的な名前が挙がると、府知事選については、一部の党派に所属する議員などから、政党の見解ではなく個人の見解をして「推せない」などと強く反発する声が上がっているという経過にも。府知事候補として名前が挙がった人が、かつての安倍政権や自民党の憲法改正草案を厳しく批判してきた経緯があり、保守・右派系の議員が嫌がっているという経過。さらにはいわゆる左派や無党派系からも「この方は、いわゆる都構想反対の住民投票やIR反対活動などの大阪の課題について、活動に参加していたとか、見解を発言していたとか、そのような記憶がない」などとあまり歓迎されていないという経過にも。またこの方はジェンダーや人権が主な専門だというが、「過去に人権関連で重大な問題を起こし行政とも癒着してきた部落解放同盟系に近いとみられ、解同系団体で理事を務めている」「また現在進行形で公金の不適切利用疑惑がもたれ、その疑惑を指摘した人に対しては女性差別かのように恫喝するなどの重大な問題を起こしているColaboについて、Colaboを支える会に名前を連ねている」などの経歴もあり、「個人の思想信条で活動されるのは自由でも、そういうのは政治家・候補者としては筋が悪い」という指摘も。

一方で大阪市長選については、出られるなら歓迎するという声も多い。

有権者の草の根の声で動かすフェーズ

政党・政治団体やそれらの支援団体の動きについては、混乱している。

有権者一人一人の立場では、個人として候補者を擁立するなど困難で不可能に近い。候補者擁立などの作業や、政党やその支援団体などの大きな団体の意向に左右されてしまうのはやむを得ない。しかし候補者の擁立過程がどうなっても、有権者としてはどのような形でも、「維新の悪政を変えたい」という願い・声を大きく、粘り強く上げていくことが必要になってくるのだろう。

当ブログの中の人としては、現時点では府政についてはコータローさんを推したいことになる。「非維新」系の一本化にしても乱立にしても、また保守系でもリベラル系でも無党派系でもそれぞれの立場で、維新はおかしいという声を上げること、どのような府政・市政を作っていくのか、そういう声を上げて世論を作っていくことが重要ではないかとも感じている。

また首長選も重要だが、同時に議員選挙も重要となる。「非維新」がそれぞれの立場で、府議会議員・市会議員を増やしていくことも必要になるだろう。