辺境の雑記帳2nd

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大阪府都市開発(泉北高速鉄道)株を外資売却!?

泉北高速鉄道や流通事業などを運営する大阪府の第三セクター・大阪府都市開発の株式売却について、大阪府は外資系ファンド・ローンスターへの売却方針を決めたと報じられた。南海電鉄への売却も検討していたが、売却額が60億円高いとして外資を選んだ。

外資系ファンドに売却することは、金儲けの対象として食い荒らされるなど、住民の足にも影響が出ることが予想される。西武鉄道でも外資系・サーベラスの参入で、一部区間では路線廃止が提案されるなど、沿線住民の生活に関わる事態が起きている。そういうことを大阪でも再現する気なのだろうか。

また、泉北高速鉄道は運賃が高いというイメージが付いている。泉北高速鉄道単体では営業キロ換算での運賃水準はそんなに高くないが、駅間が長く駅が少ないので実際の営業キロより走行距離が短いと錯覚しがちで高く見えることと、大阪市内方面や堺東に行くときは自社だけでは行けず相互乗入れ先の南海電鉄の運賃が二重にかかることで、そういうイメージが付いている。

南海電鉄は両者にまたがる連絡運賃を80円値下げすることを条件にあげた。一方でローンスターは10円値下げにとどまっている。

80円値下げだと、南海電鉄だけを同距離乗った場合の運賃にプラス50円位までの水準に収まる。南海の中距離運賃自体が高いのはともかくとして、心理的な値下げ効果は高いだろう。

なんば~和泉中央(27.5km)現行620円、80円値下げの場合540円 (参考)南海なんば~河内長野(27.1km)540円

堺東~和泉中央(17.4km)現行500円、80円値下げの場合420円 (参考)南海堺東~河内長野(17.0km)370円

百舌鳥八幡~深井(4.4km)現行310円、80円値下げの場合230円 (参考)南海なんば~帝塚山(4.8km)200円、大阪市営地下鉄梅田~東三国(4.4km)230円

更に大阪府は、ローンスターへの売却益で、北大阪急行を箕面船場に延伸するなど府北部の開発に充てるという。いわゆる大型開発であり、破綻のおそれも高くなるものである。北大阪急行を延伸しても60億円はすぐに吹き飛び、大阪万博輸送の影響で建設費償却が進んで運賃が安く据え置かれている北急の大幅値上げの可能性も含めて、経営も立ちゆかなくなりかねない。

堺の地元住民への還元もせずに何の関係のない地域の大型開発に回すなど、堺はもちろん、北部の住民にとっても何のメリットもない。