辺境の雑記帳2nd

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「都構想」住民説明会で大阪市存続の意見を封じようとする暴挙:松井一郎大阪市長

「共同通信」2019年12月11日付配信記事に、目を疑った。

https://this.kiji.is/577331823914157153

大阪都構想「反対意見遠慮を」 松井氏、市民向け説明会

2019/12/11 12:10 (JST) (共同通信) 大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長は11日、「大阪都構想」の制度案について来年開く市民向け説明会に関し、「(市民からの質疑は)あったらいいが、そもそも反対の意見は、時間が限られているのでご遠慮願いたい」と述べた。 大阪市役所で記者団の質問に答えた。松井氏は「最終的には住民投票で決める」と話し、賛否は投票で示すべきだとの考えを強調した。反対意見を排除する意図と捉えられかねず、批判が出そうだ。 大阪府と市の法定協議会は、10日に都構想の制度案の大枠を固めた。市民向けの説明会は、来年3~4月に市内4カ所で開催される。

これはひどい。

そもそも「大阪都構想」自体、2015年の住民投票で明確に「否決」の民意が出たものである。維新も当初は「民意が出た」として断念を主張したもの。本来なら歴史的文書として扱われるべきもの。

しかし維新が勝手に「再挑戦」をごり押しし、政治的動きの中で強引に再度の住民投票の道筋が作られ、避けられない情勢となっている。

住民投票自体が手続き的には認められないものでもあり阻止の動きもギリギリまで模索する必要があるが、大阪市を存続させるという大義のためには、再度の否決で応じる可能性が高まっている状況となっている。

何が問題か

松井発言の問題点は、大きく2つあると考えられる。

1つめは、「都構想」そのものに重大な問題や欠陥が多数指摘されているにもかかわらず、その問題をないことにすること。

もう一つは、都構想という個別の問題以前の民主主義の根源的な問題として、「自分たちの意に沿わない意見・指摘は封殺する」という民主主義の手続きにあるまじき行為。

大阪市の存続(「都構想」反対)を訴えることと、大阪市を廃止する勢力がこのような「自分たちと少しでも異なる意見は徹底的に封殺するような反民主主義的な勢力である」ということへの追及と、両方の視点が必要になってくるのではないかと考えられる。