北陸新幹線の延伸問題。
2024年3月に、敦賀まで開通した。
計画では、敦賀から小浜を経由して、巨大トンネルで京都市街地まで抜けて京都駅を通り、松井山手経由で大阪に向かうルートが検討されている。一定の幅を持たせた範囲での計画決定となっている。
これに関連して、動きがあった様子。
京都府では
京都府では、トンネルによる水資源への影響のおそれと、それに関連して自然環境の破壊や産業の衰退などが強く懸念されている。
水源の問題、トンネルの想定ルート直上にあたる森への影響、伏見の酒づくりへの影響、豆腐など水を使う料理への影響など。
それらのことで、あえて建設しなくてもいいのではないか、少なくとも計画ルートのままでいくのは疑問という指摘もされている。
日本共産党京都府委員会は2024年7月26日、計画ルートの中止を求める・また延伸自体の中止を求める声明を出している。
大阪府交野市でも
延伸ルートの直下と想定される大阪府交野市では2024年7月30日、山本けいたん交野市長が、「交野市の地下水・水環境のに関する、詳細な調査・情報提供を求める」とした申し入れを、建設事業者の「鉄道・運輸機構」に対しておこなった。
交野市の水道水は、8割を自己水源の地下水でまかなっていて、残る2割が大阪府水道企業団から購入した淀川水系の水だということ。
自己水源がなくなる・あるいは大幅に少なくなると、大きな影響を与えてしまうことにもつながりかねない。市民生活という意味でも、自然環境という意味でも、懸念事項になる。
また交野市は酒どころでもある。交野市の造り酒屋としては、「片野桜」などで知られる山野酒造、「利休梅」などで知られ、また大門実紀史・前参議院議員の親戚筋にもあたる大門酒造などがある。お酒にも影響を与えないか、心配。
けいたんは、以下のように述べたという。
「今後、鉄道運輸機構と協議をして、市としては北陸新幹線に賛成反対という立場ではなく、市民の生活に地下水が必ず必要。地下水を守るという観点から協議をしていきたい」
「地下水守る」北陸新幹線の大阪延伸計画 交野市長が地下水への影響懸念 国に調査申し入れ(関西テレビ 2024年7月30日)
なるほど。
北陸新幹線の延伸自体は交野市としては肯定も否定もする立場ではないが、市民生活を守るためにも地下水が必要だとして、工事での影響を詳細に調査してほしいという申し入れ。
この申し入れは、一定の説得力を持ち、また北陸新幹線事業への賛否を越えて、多くの市民の意向に沿ったものだとは考えられる。
けいたんが提示した内容については、事業者側もていねいに検討し対応してほしいと願う。