国会での超党派での成立を目指して調整が進められていた、学校図書館司書を増員する決議案。調整中に国政維新が反対して、提出断念を余儀なくされたとのこと。
維新「司書はAIで代替可能」 唯一反対、増員決議できず
共同通信2019/12/19 19:21 (JST) 学校図書館で子どもの読書や学習を支える学校司書の配置増を求める国会決議案に、与野党で唯一、日本維新の会が「近い将来、司書の仕事は人工知能(AI)で代替可能になる」と反対し、臨時国会(9日閉会)への提出が見送られていたことが19日分かった。 2015年施行の改正学校図書館法で「努力義務」とされた学校司書の配置は全体の半数程度にとどまっている。このため「文字・活字文化推進機構」が働き掛け、衆参両院で全会派が了承した形での決議案提出を目指していた。 維新の浅田均政調会長は取材に「人件費増に直結する『司書の配置促進』は『改革』の名に値しない」と文書で回答した。
維新は「学校図書館司書は公務員の人件費増」「将来はAIで代替可能」という、失笑レベルの主張。
学校図書館の重要性や、司書の専門性を軽視している。反知性主義だ、知性軽視・文化軽視と強い批判。
https://togetter.com/li/1443716
それに関連して、維新の音喜多駿参議院議員が、さらにおかしなことを。
橋下府政において平成21年、府立高校の図書館司書が過剰で実態とかけ離れていたことから、見直し改革を行っています。AI活用などに加えて、地域の実情によっては一律に職員増が求められない場合もあるため、画一的と思われる請願内容に反対したものと理解しています。 https://t.co/OB4ltE7FZE
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) December 20, 2019
どこのパラレルワールドの話なのか。おかしなデマを流すなかれ。
しかも、当時大阪府議で事情を承知しているはずの松井一郎まで、デマを広めている始末。
[caption id="attachment_8847" align="aligncenter" width="599"] 音喜多デマツイートを松井一郎がリツイート[/caption]
橋下府政が2009年に学校図書館専任司書制度を廃止したのは、決して「府立高校の図書館司書が過剰で実態とかけ離れていた」からではない。
むしろ、当時から体制が十分ではない・さらなる充実を目指すことが求められていると指摘されていたにもかかわらず、橋下の人件費削減方針や学校予算軽視方針によって、廃止が強行されたもの。
廃止によって、従来でもただでさえ十分とはいえない体制だったところに、さらなる困難が持ち込まれた形になった。図書館を開館できなくなった高校も出た。
2015年の学校図書館法改正に際して、2009年当時の橋下府政の対応についても疑問視された。橋下は「図書館ショシ」と連呼した上で、「ショシはいらない」などと主張した。
音喜多および維新の主張は、橋下の時代錯誤の流れを受け継ぎ、超党派で進めてきた学校図書館充実を求める流れに逆行しているとしか思えない。