辺境の雑記帳2nd

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「買い物」松井市長発言、批判起きる

新型コロナウイルス対策で松井一郎大阪市長、スーパーの混雑緩和に関連して以下のようなおかしなことを。

大阪市長「女性は買い物に時間」 スーパー混雑問題で

共同通信2020年4月23日 松井一郎大阪市長は23日の記者会見で、新型コロナウイルス対策で飲食店の営業が減り、スーパーが混み合っている問題について「(女性は)商品を見ながらあれがいいとか時間がかかる。男は言われた物をぱぱっと買って帰れるから(男性が)接触を避けて買い物に行くのがいいと思う」と述べた。 偏見に基づいた発言で、男女は関係ないと記者が指摘すると「それはそうやね。わが家では時間がかかる」と釈明した。

これは性差別・偏見ではないかと批判が出ている。

松井氏本人や家族の状況はどうかなど、松井家の個別事情は知らない。

しかしこういうことを「女は」「男は」と主語を広くとって過剰に普遍化し、性別によって行動を決めつけ押しつけるのは、偏見・ジェンダーバイアスにあたる。

性差よりも個人差の問題で、性別の属性によって普遍化されるべきものではない。ましてや固定化した観念によって、性別による行動を決めつけられるようないわれもない。

これに対して批判が出るのも、必然的だといえる。

一部では松井発言を「性差別を許さない」と批判するふりをしながら、批判の理由に「女性だから買い物に時間をかけるのは当たり前。短くて済むような男性の野蛮な買い物とは違う」とばかりの、「それも松井発言と大差ない性差別・偏見そのもの」というべき斜め上の主張をあげ、「それじゃ批判ではなく援護射撃だろう」というようなよくわからないのもいる。世間では有名な「フェミニスト」の一人と認識されているこの人とか。

しかし、「女性は買い物が長い」も「男性は買い物が短い」もどちらも、古い性別役割分担観念に基づいた一方的な偏見。そういう偏見・ジェンダーバイアスで、性別属性だけで荒っぽくくくるのではなく、個々人の能力や個性をきちんと扱うべき。古い観念からは脱却したい。

海外でも報じられる

海外メディアでも、批判的に取り上げられている。

ロイター『Osaka mayor draws criticism after saying women are slow shoppers』。(大阪市長、「女性は買い物が遅い」と批判)

https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-japan-mayor/shopping-behaviour-japanese-mayors-social-distancing-remarks-upset-women-idUSKCN2260H4

CNN『Japanese mayor says men should grocery shop during pandemic as women 'take a longer time'』(日本の市長、「パンデミックの間、男性が買い物に行くべき。女性は買い物により時間がかかる」と発言)。

https://edition.cnn.com/2020/04/24/asia/japan-coronavirus-osaka-mayor-hnk-scli-intl/index.html

松井発言は、全くもって時代錯誤発言である。外国語に翻訳されて世界に紹介されるほど恥ずかしいものはない。

このような時代錯誤発言をおこなう者が都市の首長であり、政党の党首であるというのは、ちょっとこれは恥ずかしいなんてものではない。