辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

川崎市議会、維新議員の「造反」

川崎市議会で2024年3月、維新の「造反」案件があったと指摘された。

新聞報道より引用。

維新の川崎市議が再び「造反」 万博の延期などを求める意見書に賛成

【神奈川】日本維新の会川崎市議団(5人)所属の三浦恵美市議(49)が18日の川崎市議会本会議で、大阪・関西万博の延期や分散開催を求める意見書案に賛成した。維新は意見書に「反対」の立場で、三浦氏は取材に対し、離党して無所属で活動する意向を示している。

 維新会派では昨年6月にも三浦氏を含む議員5人が補正予算案の採決で「造反」し、会派が分裂した経緯がある。

 意見書は、万博会場のライフライン整備や大規模な土地造成工事が能登半島地震の復旧・復興に影響を与えることが懸念される、と指摘。国に対し、万博開催時期の延期や分散開催といった見直しを求める内容。

朝日新聞 2024年3月19日 https://www.asahi.com/articles/ASS3L752XS3LULOB00N.html

朝日新聞では、このように報道されている。

万博の延期などというと、一見すると「造反」側が筋の通ったことをいっているようにも見える。

しかし、ことはそう単純ではない。

当該の意見書は、無所属議員5人が出して、賛成派無所属と造反維新市議の6人にとどまり、反対多数で否決されたという。

反対のなかには、維新も、自民党もいた。

維新は万博推進、自民も国レベルでは万博推進。大阪市の地元の街づくりについて懸念を示すという立場から、当該案件を現状のまま通すというのは懸念という観点から、大阪市では慎重な立場を取っているが、川崎市ではそこまでする必要はないからわからなくもない。

それどころか、総合的に考えて国レベルでも万博は否定的という見解を取っている、共産党も、決議案には反対に回っていた。

これは何を意味するのかという疑問。

川崎市議会のウェブサイトで、意見書の原文を確認した。

これは賛成できない。

後半部分が引っかかる。

さらに、来場者数については、国内外から約2,820万人の来場を想定しているが、
大阪府の宿泊施設の平均客室稼働率は、訪日外国人の増加と国内旅行の回復があいまって、昨年8月時点においても、東京都を超える80%となっていることから、大阪・関西万博の開催時に一時的に増大する需要について、大阪府のみで対応することは困難である。
よって、国におかれては、多額の国費が投じられる大阪・関西万博について、令和6年能登半島地震の復旧・復興の優先と会場となる夢洲の着実な整備等のため、開催時期の延期や宿泊施設の受入能力に比較的余裕があり、かつ、コンベンション施設を有する兵庫県、奈良県、和歌山県等の関西圏の近隣都市にも会場を追加し分散開催するなど、開催時期や会場の追加を含めた開催手法を見直すことを強く求めるものである。

大阪市・大阪府だけではなく、近隣府県にも「会場追加」「分散開催」を求めているという代物。

これでは、いくら万博の中止や見直しが必要だとはいえども、意見書には賛成できないであろう。