辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

富田林の共産党でパワハラ事件

富田林市の共産党から、許しがたい情報が伝わってくる。

2023年、大阪府富田林市議会の共産党議員団で、岡田英樹市議から田平まゆみ市議への長期にわたるパワハラがあったと指摘された問題。

パワハラ案件については、当事者の人権にもかかわることであり、個別案件について当事者を差し置いて第三者が勝手なことを言うと思わぬ問題が発生して迷惑をかけかねないという観点から、情報は慎重に扱うべきで、踏み込んだコメントはしづらい部分がある。

ただ、一般的にはパワハラについては「客観的で公正な事実認定」および「被害者の被害回復」が重要だという点については、強調すべき案件だとも考えている。

以下については、憶測等は排し、第三者としては、「公開された客観的資料。およびその資料から論理的に事実関係を読み取れる部分」を中心に、そこから逸脱しないよう配慮しながら検討する。

共産党大阪府委員会が認定している部分だけでも、「岡田市議から田平市議へのパワハラを確認した。共産党としての対応に不十分な部分があった」と公表し、ウェブサイトにコメントを掲載している。

以下の画像は、共産党大阪府委員会ウェブサイト(https://www.jcp-osaka.jp/pages/fuiinkai)で公開されたもののキャプチャ。

富田林ハラスメント問題1
富田林ハラスメント問題2

またマスコミ報道として、関係者に取材した上で、パワハラの事実関係の概要と、加害者の岡田市議が共産党を離党したことについて記事にしている。

共産市議がパワハラで離党、大阪 同僚に「おまえ」「虚言癖」

2023年3月23日 18時40分 (共同通信)

 大阪府富田林市の岡田英樹共産党市議(69)が、同僚の女性市議(44)に「おまえ」などのパワハラ発言をしたとして、党地区委員会から警告処分を受け、離党していたことが23日分かった。離党は22日付。

 女性市議によると、普段から岡田市議から「おまえ」「あいつ」呼ばわりされたほか、他人に自分のことを「うそつき」「虚言癖」などと言われたという。

 市議にハラスメント中止を求めていたが改善されないため、女性市議は2021年10月に、党本部に訴えていた。

 党大阪府委員会などによる聞き取り調査に、岡田市議はハラスメント行為を認めた上で、女性市議に文書で謝罪した。

当事者の田平市議も声明文を公表している。

田平市議の声明文は、こちらのサイトでテキスト化されている。

ikeoji2024.livedoor.blog

「加害者とされた人物の無所属立候補で共産党が自主支援」?

この事件に関連して、2023年4月16日告示、同23日投開票の富田林市議選では、岡田市議は共産党を離党して無所属立候補の意向を示し、一方で田平市議は、共産党の公認が得られずに出馬断念を余儀なくされたという。

※2023年4月16日の告示日の手続きでは、岡田氏は同日朝までに無所属で立候補手続きを済ませ、一方で田平氏は出馬しなかった。

さらにこの件に関して、「現地の共産党が、無所属出馬する岡田市議を党として自主支援する。当選した場合には、共産党から擁立する新人候補と会派を組ませる」かのような説明がおこなわれているという、にわかには信じがたい情報がSNS でリークされている。

共産党の規約上、不祥事といわれるような行為や、ハラスメント行為など社会的道義を問われる行為をおこなった議員については、議員をやめなければならないと規定し、党機関は議員辞職勧告をおこなうことになっている。不祥事発覚と同時に離党届を出したり党規約上の処分を受けた議員についても、同じような措置をおこなっている。

しかし富田林市などを担当する共産党河南地区委員会は、2023年3月にパワハラが認定され公表された直後に、岡田氏が「離党届」を出したからといって、議員辞職勧告などもないままそのまま離党を認めている。これは共産党としては異例の措置である。

また共産党は、不祥事などで離党したり処分されたりするなどしても無所属立候補を強行した人物については、一定の見解を赤旗や地域のビラなどで公表し、厳しく批判する傾向がある。しかし富田林市の案件ではそういう声も聞こえてこない。

SNSでのリーク

そしてその後、SNSではとんでもない情報が次々とリークされている。「富田林市の現地の共産党が、離党した岡田氏を、事実上共産党の候補扱いで、組織ぐるみで支援しているのではないか」という情報。

新人候補1人だけになると議会活動に制約が出るという口実で、岡田氏を支援して「2議席」を目指し、当選したら岡田氏と共産党新人候補で統一会派を作るという構想まで漏らされている。

岡田氏が離党する数日前の3月中旬の日付で、富田林市の共産党関係者の会議のレジュメとして、「岡田氏は離党するが、共産党として自主支援する」かのような内容が書かれたものがアップされた。

さらに、河南地区委員長・地区副委員長・地区委員会事務所勤務員の実名を名指しする形で、「組織的に岡田氏を党として支援する方針を、彼らが先頭に立って、地域の党員に出している」という情報も出されている。

岡田市議の離党前には、共産党河南地区委員会は公式には「岡田市議を次期市議選には公認しない。無所属立候補も認めない」とする方針を決定し、田平市議側にもそのように伝えていたという情報も聞く。それを舌の根も乾かないうちに正反対のことをするというトンデモ案件になっている。

その情報がもし事実ならば、共産党としては重大な党規律違反行為・反党行為で、共産党規約上は関与した党幹部や党員に対して除名も含めた厳正な処分が検討される案件ということになる。

2023年4月8日には、岡田氏が次期市議選出馬に向けた支援者向けの集会を開き、ハラスメント問題について「逆に田平氏から自分への加害行為があった」かのような発言をしたともリークされ、その発言内容がSNSにアップされた。さらには集会会場に掲げられた横断幕を作成したのは、富田林市の共産党支部所属の共産党員だったとも指摘された。

それらの内部文書がSNS上にリークされている。まあこれだけでは、共産党側は「出所不明の怪文書」扱いするということも可能になってしまうかもしれない。

これらの情報については、現地の共産党事務所に問い合わせた人によると、公式には「組織的に岡田氏を支持することはない」という反応だったが、その一方で「党員個人の行動には関与できない」という反応もしていたともされる。

ポスターの怪

それでは、外部から判断できる情報についてはどうなのか。

連名ポスター

富田林市内には、岡田氏と「山崎りえこ」氏の2連ポスターが、地域の共産党支持者宅に、共産党ポスターと並べて貼られているという情報もあり、現物写真もアップされている。

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このポスターの貼り方は、「頼まれればどこの政党・陣営のポスター掲示も快諾する」というお宅の貼り方ではなく、明らかに共産党支持者の貼り方ではないかとも受け取れる。

また、ポスターで連名になっている人物であるが、「2022年の富田林市共産党後援会の「集い」で同名を名乗る女性が司会を務めている様子が、動画でアップされている。司会の人物はマスクをしているので、ポスターの人物と同一かは正確な判別が付きにくいとはいえども、同一人物のようにも思える。

共産党事務所に「岡田ポスター」が片付けられていた?

共産党富田林の事務所に、岡田氏が無所属市議として貼り出した2連ポスターが片付けられていたとか。

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確かに、共産党富田林市委員会(富田林市常盤町)の画像をgoogleマップで確認すると、隣の建物との境界付近に、この写真の撮影場所でほぼ間違いないと思われる場所がある。また片付けられている看板は、岡田氏と「山崎りえこ」氏との2連ポスターであることも間違いないと思われる。

なお、Googleマップの過去画像確認では、2019年の前回市議選、および2015年の市議選では、岡田氏との2連ポスターは、いずれもたつみコータロー氏になっている。ということは、過去にたまたま撮影していた写真を持ち出したものではなく、直近の写真であることは疑いようがないことになる。

告示後に岡田ポスターの上に共産党ポスターを上貼り

無所属候補として岡田氏の2連ポスターを貼っていた場所に、告示後は共産党ポスターが上貼りされているという指摘も出ている。しかもそれが複数箇所あるという指摘。

一般的にいえば、選挙ポスターや政治活動ポスターについては、他党や他陣営のポスターの上に、自分たちのポスターを貼ると、それは重大な妨害行為になってしまい、御法度になっている。また別陣営だけではなく、元々のポスター掲示場所のお宅にも迷惑がかかるということになる。

無所属になった岡田ポスターの上に共産党ポスターが貼られていること。これをどうみるか。岡田氏以前に、自陣営以外の陣営に対して、嫌がらせで上貼りして隠すような常軌を逸した行為を、組織ぐるみでするとも思えない。

共産党事務所での目撃情報と、市内のお宅での貼り方の情報を総合すると、共産党が岡田氏のポスター貼りを支援し、岡田氏のポスターを貼っていた場所に共産党のポスターを貼り替えていたと推測されてもおかしくない。

共産党関係者が宣伝に協力?

「2023年4月14日朝、近鉄喜志駅前での宣伝」とされる写真がアップされた。その写真では岡田市議の駅頭宣伝を、ため仁史(きみひと)・共産党大阪15区国政対策委員長とされる人物が手伝っている様子が映っている。

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写真は小さいが、拡大してみると、ため氏の特徴的な雰囲気(お茶の水博士や中山太郎氏を思わせる髪型、普段は作務衣で活動している様子がアップされることも多いが、写真の人物の服装も作務衣っぽいことなど)があり、ビラ配布に携わっているのはため氏の可能性が高いと思われる。

 当日の大阪府の天候は晴れ、また日差しも春の朝っぽい光線、人物の服装も真夏や真冬ではなく季節的にも違和感がない、場所は喜志駅の東側、写真に写っている岡田氏の2連ポスターは「山崎りえこ」氏とのもの、共産党は市議選直前以外では市議ポスターでの街宣はしない(市議の個人ポスターは4年間掲示しているわけではなく、直近しか作らない。普段は政党ポスターか、直近に国政選挙がある場合は国政候補者関係のポスターで宣伝をおこなう)傾向があることなどから、当日あるいは直近の数日間の写真とみて間違いないだろう。

加害者への加担は許されない

これらの「共産党がパワハラ加害者と認定した市議が、無所属出馬し、共産党が支援する」というトンデモ情報、嘘であってほしいと願いたいが、どうもここまで情報がそろうと、トンデモ・トンチキネタとも考えにくく、事実である可能性も高まる。こんなことをすれば「ハラスメント二次加害」でしかない。共産党以前に、人間としておかしい。

共産党としても、「一度自分たちが認定したことを何の根拠もなく反故にして、嘘をついてやり過ごそうとしているのか」と不誠実対応になり、さらに「ハラスメントをなくす」ということを掲げている政党としても重大な裏切り行為ということにもなる。