選挙の投票率向上などを図る目的で設置される、行政の啓発ポスター。
2023年の統一地方選挙で、東京都八王子市が制作した啓発ポスターが、やり玉に挙げられた様子。
選挙ポスターに女性アイドル起用 「男女共同参画の点で問題」と苦情
朝日新聞 2023年4月3日 22時00分今月の東京都八王子市議選で、市選挙管理委員会が作った啓発ポスターは、今月施行の市男女共同参画推進条例の趣旨に反するとして、元市議4人が3日、市に同条例に基づき苦情を申し立てた。4人は撤去も求めている。市側は条例の仕組みに沿って、苦情処理委員会に意見を求めるとしている。
市選管が作ったのは八王子のご当地アイドルで、2人組の「8（エイト）princess」が印刷されたポスター。大写しにされた2人がガッツポーズをし、「てか、選挙行くっしょ？」と投票を呼びかけている。
アイドル起用の啓発ポスター「ジェンダー平等に逆行」…市議が苦情、市は「若年層啓発のため」
読売新聞 2023/04/05 19:37東京都八王子市選挙管理委員会が、同市議選（１６日告示、２３日投開票）に向けて作製した啓発ポスターは男女共同参画の視点を欠くとして、元八王子市議４人が３日、市に対して苦情を申し出た。
苦情を出す側こそが、男女共同参画の視点に欠け、ジェンダー平等に逆行しているように感じる。
そもそも、啓発活動にふさわしいイメージキャラクターを考慮した結果、たまたま登用されたのが「地域の町おこし・宣伝活動にもかかわっている、若い女性だった」「また、若い世代の有権者の投票率を特に上げたいという主目的から、若い有権者への訴求という意味でも、ターゲットとする対象と一致する同年代の人を登用するのがよいと考えた」と受け取れる状況になっている。
啓発活動イメージキャラクター
投票率向上を図るため、啓発活動イメージキャラクターを設定します。
（中略）■ 起用理由
これまでにも八王子市における数多くの活動実績や高い知名度がある上、メンバー自身が20歳代であり、特に若年層への啓発に適した人材であるため。
八王子市議会議員選挙のお知らせ(2023年2月7日） https://www.city.hachioji.tokyo.jp/shisei/001/008/001/p024048.html
女性を登用したからジェンダー平等に逆行する、差別だ、的な言い分は、言いがかりだと感じる。同調できない。
むしろ苦情を付けた側こそが、女性への偏見や、アイドルへの偏見などをむき出しにしている古い家父長的な価値観ではないのか。苦情をだした人たちは、「フェミニスト議連」などに関与していたという話もあるが。
なお、当該地域の当該選挙ではたまたま女性が選ばれたというだけ。他地域では「その地域ゆかりの、タレントやスポーツ選手などの著名な男性」がイメージキャラクターに起用されている例もある。
性別以前の話で、有権者への訴求にふさわしい人選をしたら、そうなったというだけではないのか。女性だからといってやり玉に挙げる、あるいはその逆もだと、それこそ差別的だと感じる。
