辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

共産党富田林パワハラ事件、加害者と認定した候補者を共産党がステルス支援か

大阪府富田林市議会での、共産党議員による同じ会派の議員へのパワハラ問題

この問題では、共産党の調査で、十分ではないとはいえどもパワハラの事実関係を認定している。加害者は調査結果への異議申し立てなどもないまま、「責任を取る」として共産党の役職の辞任と「離党」表明した上で、2023年4月の富田林市議選に無所属立候補し、「パワハラはデマだ」と弁明していた。

選挙の結果、無所属立候補した候補は落選し、共産党が1人だけ擁立した候補は当選した。

この問題については、現地の共産党が、公式発表の中身とは正反対の行為をおこない、無所属立候補した加害者市議を組織的とうかがわれる形で支援しているというきな臭い情報が入っている。

しかも現地の共産党河南地区委員会の役員や事務所勤務員が地域の党員にそのような指示を出し、その背後には共産党中央委員会の担当者が複数名関与しているとも指摘されている。

oskweb.hatenablog.com

この情報は、残念ながら、デマや陰謀論のたぐいではなく、少なくともそういうことを疑わせるに足る多数の状況証拠が挙がっている形にもなっている。選挙が終了し、より怪しげな情報が出ている。

当日の票の状況

富田林市議選での得票状況。

  • 2023年 投票率44.2%(定数18,立候補者25)。共産党・寺尾ちあき(新人)2119票(当選)。
  • 参考値:無所属(元共産党・現職)岡田英樹1246票(最下位同数くじ引きで落選) 
  • 2019年 投票率46.34%(定数18,立候補者19)、共産党総得票4243票(得票率9.96%、3人擁立2人当選) 田平まゆみ1848(13位),岡田英樹1509(15位),川崎よしき(新人・奥田良久市議から新旧交代・19位落選)886
  • 2015年 投票率46.56%(定数19,立候補者24) 共産党総得票4987票(得票率11.67%、3人擁立3人当選) 田平まゆみ1634(新旧交代、16位),岡田英樹1723(14位),奥田良久1630(17位)

国政選挙と市議選の単純比較は難しいが、参考値として、国政選挙の得票情報も。

  • 2022年参院選 比例代表 日本共産党3998(得票率8.41%)
  • 2021年衆院選 比例代表 日本共産党4442(得票率8.73%)

これらの状況を検討すると、どうも怪しげな感じ。共産党「唯一の候補」とした寺尾候補と、無所属立候補した岡田氏の票を足すと、ほぼ共産党の票に等しいという不思議。

仮に公式見解通り、「寺尾氏に票に集中し、全市を寺尾氏の活動地域扱いする。岡田氏は支援しない」となると、寺尾氏の票はもう少し上積みできてもおかしくなく、このような票の出方にはならないとも思われる。

ためしに寺尾氏+岡田氏の票を足してみると、3365票。得票率8.53%、前回比-878票(79.3%)。得票率としては、9ヶ月前の2022年参院選比例代表と同じ水準。投票率自体の減少や、共産党自体が全国的に票を減らしていることで目減りした分を考えると、そう考えてもおかしくない。

寺尾候補の票を、前回の田平市議+川崎候補と比較すると、-615票(77.5%)。一方で岡田氏の票は、前回比-263票(82.5%)。減り具合も約2割減のほぼ同じくらいで、大差ないということになる。

現地共産党が公然と支援?

そしてツイッターでは2023年4月27日、証言が投下されている。

20230427-1041

さらにこのような内容も。

富田林20230427
富田林地域割り地図
ツイッターで晒された、共産党富田林市事務所に掲示されていた地域割り地図。「岡田パワハラ事件」の新聞記事のコピーを下に貼り付けていることから、事案発生後のものであることは明らか。(出典:https://pbs.twimg.com/media/FusF5-4aEAE4hZi.jpg

現地の共産党の許しがたい発言。ハラスメントに無頓着というレベルを通り越して、加害行為を続けているということになる。さらには、中央委員会や大阪府委員会の担当者まで同調して、嘘をついてまで市民をだましたということにもなる。

「岡田を支援しても党として処分対象にならないというお墨付きを得た」など、何を考えているのかと言わざるを得ない。そんなお墨付きが本当にあったのとすれば、共産党の規約上、これに関与した人間は全員処分されるべき案件である。また、そんなお墨付きはなく、地域幹部が自分の都合のいいようにねじ曲げて、中央委員会や大阪府委員会の「権威」を振りかざして勝手なことをしたとしても、それもまた同じように問題だろう。

地域割りの地図も、2019年の岡田地域のほとんどをそのまま岡田地域としてステルス支援し(北部・中心部の赤枠内)、寺尾地域は旧田平地域(西部)と旧川崎・奥田地域(南部・南東部)を足したもの(青枠内)と思われる。

参考までに2019年の地域割りはこちら

この地域割りで票がでたと考えれば、寺尾・岡田の両候補の票の出方とも違和感がない。