辺境の雑記帳2nd

ニュースや時事問題の考察など

「ミソジニー」概念をねじ曲げる醜悪企画

ツイッター経由で、流れてきたサイト。

【公開世論調査】ミソジニー・オブ・ザ・イヤー2023

men-with-women.com

#MenWithWomenなるサイトのコンテンツとのこと。

当該サイトの賛同人紹介を見て「うわぁ」となった。

上から1人目と2人目の写真と名前が目に入った時点でずっこけた。

ページをスクロールすると、その2人のほかにも、これまでSNSやその他の媒体で、男性差別・ジェンダー差別発言やその他の差別発言を繰り返してきたような、有名な差別主義者が並んでいる。

(画像:写真ACより)

そして、当該の投票ページ。

2023年に「ミソジニー」的な言動をした、「ジェンダー平等にふさわしくない」と同サイト主催者が認定した人物の名前と言動をいくつか候補の選択肢として挙げ、閲覧者に投票させるという趣旨らしい。

しかし、並んでいる内容が醜悪で恣意的。

  • 問題外の重大な性犯罪。
  • 政治家や芸能人など、有名人の失言・不適切発言。
  • 個人的にその意見に賛同するかどうかは別としても、個人の言論の範囲に属する発言。
  • 「トラブルの当事者の一方が男性で、もう一方が女性だった」という偶然はあるものの、性別の要素は無関係だとしか思えないような内容に、こじつけている。
  • 不適切行為をした人物に異を唱えた人物を、不適切行為者が女性で批判者が男性だというだけで、「ミソジニー」認定して晒しあげている。

など、性質の異なる問題を、味噌もクソもごっちゃにして「ミソジニー」呼ばわりで並べている。

Colaboやその周辺の男性差別・ヲタク差別・表現弾圧・公金不適切処理疑惑などを批判した人物や、埼玉県で政治的圧力という不適切な手法で「水着撮影会」を中止に追い込んだことを批判した人物を、犯罪と同格で「ミソジニー」呼ばわり。

「ミソジニー」って、「気に入らない相手を殴りつける武器」として恣意的に振りかざすようなものではない。

またこんなのでは、重大な性犯罪を「大したことない」扱いで相対化することにもなってしまう。そしてそれはただの相対化ではなく、被害者の苦しみに心を寄せずに軽視し、自分たちの主張のために消費するコンテンツとしてねじ曲げて振りかざす道具に刷るということにもなってしまう。

しかも「ミソジニー」に名指しされた対象者への侮辱、名誉毀損に当たりうる可能性があるとも、指摘されている。

こういうことをするサイト運営者こそが、「ジェンダー平等にふさわしくない言動」そのものだとも感じる。